第4章 【片想いの小さな恋】
この仕事を始める前は
自分が1番だと思うことも少なくなかったけど…
入所して結構すぐに、既にたくさんファンがついてる
スターになるために生まれてきたような
紫耀と廉と組むことになって。
一部の2人のファンのからは
『なんでいきなりあんな子と…』って言われるし、
なんならそんなこと言われなくても
自分が一番よくわかってるし。
でも、ジャニーさんにいくら聞いてみても
「いつかわかるときがくるから。」
ってそればっかりだし…。
3人でステージに立っても
黄色のペンラは赤と青の波に埋もれちゃいそうなのに
本当にそんなときが来るの…?
この仕事をしてると、日常からは得られない
楽しいことも幸せなこともたくさんあるけど、
嫌でも数字というカタチで自分が評価されるから…
ときどき足がすくみそうになるくらい
怖いんだよ、先生。
そんな自分の弱ってるところを
誰かに話したところできっと、困らせるから
家族と、家族みたいに大切なメンバー以外
誰にも話すつもりはなかったけど…、
いつかは先生に
こんな弱い自分をさらけ出せるときが来るのかな。
そうだったらいいな…。
そんな未来を思い描いてみては
この叶わない小さな片思いにどうか気付かないで。
と切に願う。
気付かれたらきっと、
その笑顔さえ見れなくなるから…。
叶わなくても、
終わりがなくても構わない。
だけど
この片思いだけは
どうか。せめて、
守らせて…。