第4章 【片想いの小さな恋】
土日はRの法則の収録もあって
あっという間に過ぎてくれたけど、
月曜日登校してからの時間が
ものすごく待ち遠しく感じる…。
やっと、夕方のホームルームが終わったものの
17時まであと40分か、どうしようかな…
と時間を持て余していると
「あれ、海人くん、まだ帰んないの?」
「んー、あー、、ちょっとね。優斗は?」
「俺は帰ろうかな。土日収録で疲れたし笑
って、それは海人くんも一緒か。」
「…だし、ドリボ終わるまでは同じグループだから、
今はほぼほぼ、スケジュール一緒でしょ笑」
「いやいや恐れ多いです!
なんたって海人くんはMr.KING兼
我らがJohnny's5のセンターですから!」
「その返しはうぜぇわ!!笑」
「笑。じゃぁ、お先でーす笑」
「お疲れー!」
はぁ、、1人か…。
誰かと一緒に居たら楽しく過ごせるのに、
1人になるといろいろ余計なコトを考えちゃうから
1人の時間はあまり好きではない…。
「んーー……」と背伸びをしながら
窓の外に視線をやると
サッカー部が練習しているのが見えた。
そういえば…、
廉って中2までサッカー部だったって言ってたよね。
廉のポジションのサイドバックってどこなんだろ。
……球技苦手だから全然わかんないや。笑
「暇だし、時間まで課題でもしよっかな…。」
そんな独り言を呟きながら
鞄から課題を取り出そうとしていると
体育教師でサッカー部顧問の増田の声がした。
『おーーい! サボんな! 走れ!!笑』
『さーせん!!笑』
『こら、教師なめんな!笑
でるとこでるぞ!!笑』
増田は体育教師にはめずらしく生徒との関係が良好で
容儀検査のときなんかもよっぽどじゃなければ
「わかるよ、オシャレしたい年頃だもんな。」
と見逃してくれたりする、理解あるタイプの教師だ。
それだけじゃなく、男女交際禁止の校則のせいか、
「あの声がたまらない!」とかなんとか言って
女子から結構な人気があるらしい。
まぁ、確かにいい声だし、羨ましい…。
自分とは違いすぎる声に
勝手にコンプレックスを刺激されて
増田のことは苦手だったんだけど、
体育のダンスの授業でオレのダンスを
めちゃくちゃ褒めてくれて以来、嫌いではない。
オレって、ほんと、
単純すぎだよね…苦笑。