• テキストサイズ

キミヲ、サライタイ。

第1章 1


「……泣かせてしまいましたね」

まじまじと見つめられ、お嬢様は恥ずかしくなった。

「私が勝手に泣いただけだから」

「いえ、私のせいです。大切なお嬢様を悲しませるなんて。お詫びをさせていただかなければ気がすみません」

お詫びなんて……と言いかけたお嬢様の耳に、川島が軽いキスを何度もしながら、耳たぶを軽く噛んでささやいた。

「ご奉仕させてください」

告白するような甘味を帯びた低い声が鼓膜に響いた。

返答を待たず、川島が再びキスを繰りかえす。

首筋に、鎖骨に、はだけられた胸元にと、キスの雨を降らせながら熱い唇が下りていく。

「ぁ…ちょっ、と待って……川島…今、するの?」

川島が顔もあげずに答えた。

「お嬢様はリラックスして星空をご覧になっていてください。ただ、気持ちよくなっていてくだされば……」

唇がどんどん遠ざかっていく。
大きな手が肌を撫でながら下の服を脱がしていく。

「川島!ダメ…だよ。汚いから……シャワーだけでも浴びさせて」

川島がやっと動きをとめ顔を上げた。

「オレの舌で、すみずみまでキレイにしてさしあげますから大丈夫ですよ」

なにかに浮かされたような声色で話す、その眼を見てお嬢様は固まった。

一枚うすい膜を張ったみたいな、ある種の興奮と期待に酔ったような眼だった。

「たくさん……ご奉仕いたしますね」

腰骨から腹部にかけてキスの雨が再開された。
たまに軽く舐めて吸われる。

「ん……!ぁ……あっ」

身体中に唇と吐息の熱を感じ、お嬢様の全身はすでに川島によって甘く痺れ溶かされていた。
/ 20ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp