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キミヲ、サライタイ。

第2章 2


お嬢様の少し汗ばんだ肌を愉(たの)しみながら、川島は一度ベッドから降りた。

ショーツ一枚になり、恥ずかしそうにモジモジさせている脚をゆっくり丁寧に撫でさする。

「お嬢様。少し下の方へ、お身体をずらしていただきますね」

「う、うん」

とまどったような表情の身体の下に腕を差し入れ、お姫様抱っこの形で移動させた。

ちょうど膝から下がベッド端からおりている格好になった。その前に川島は跪(ひざまず)いた。

お嬢様が慌てたように半身を起こす。

「ああ、いけません。このまま仰向けになってお星様をご覧になっていてください。ただ力を抜いて寝ていてくださればよろしいですよ」

やさしい声色で、きっぱりとお嬢様からの拒否を拒絶した。無言のとまどいを感じながら、ピタリと閉じられた両膝に軽くキスをする。

すでに甘い香りが鼻腔を刺激していた。

早く舐めたい。
お嬢様の蜜を啜(すす)りたい。

逸る気持ちと裏腹に、緩慢な動きで白いふくらはぎに手を伸ばした。

手のひらで包み込むようにしてやさしく撫でる。
焦らすように、ゆっくりと。

本当は、嫌がるお嬢様の膝を目の前で大きく開かせて、思う存分むしゃぶりつきたかった。

同時に、お嬢様への深い献身の情がせめぎあう。

だが結局は、お詫びのご奉仕という名目のもと、己の欲望を満たしたかったにすぎない。


川島は今まで隠してきたある念願を胸に秘めて、想像しながら興奮をおさえきれずにいた。

ふくらはぎを撫でてもう一方の手で足首をつかむ。
かしずくようにして足の甲にキスした。

「川島……」

切ない眼で見下ろしてくるお嬢様に、低くやさしい声で言った。

「可愛いところ、どうなってるか確かめさせて?」

興奮しすぎて、また敬語を使うのを忘れてしまう。
そのことで咎(とが)められたことは一度もなかった。

お嬢様の返事を待たずに、そのまま足の内くるぶしを舐めた。そこから膝に向かって舌を這わせながら短くキスしていった。

「あぁ……、ぁ」

感に耐えないような澄んだ声が降ってくる。

こっそり録音して、あとで何度も聴きながら今夜のことを反復したい。

思いながら太ももの外がわを撫でる。何度も。
お嬢様の腰が揺れた気がした。

息が荒くなっている。
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