第2章 2
川島は、もう一度あらためてお嬢様の前に跪いた。
両手をとり下から見つめる。
「申し訳ございません。ご奉仕とは名ばかりになってしまいました。どうしてもお水をいただきたくて」
「もういいよ。私…も、気持ちよかったし。それより早く顔洗ってね」
「えっ。このまま自然乾燥させて、お嬢様の愛を感じながら眠るつもりだったのですが」
イタズラぽく、わざと茶化すように言うとお嬢様が可愛らしく笑った。
「川島がすき……変態だけど」
「ふふ、オレもです。オレの方がずっと」
もう何度も言っていますね、と立ち上がり川島はシーツを手早く取り替えた。
ベッドにお嬢様を寝かせてキスしながら、吐息と共につづきの言葉を吹き込む。
「すきです……んっ、……っすきです」
稚拙な求愛に応えるお嬢様が口元で笑いながら、今日は最後までしなくていいのかと尋ねてきた。
念願だった欲望が果たされ満足したのと、お嬢様を休ませたいという想いから今夜はこれで終わりにしようと提案した。
それで、一緒に熱いシャワーを浴びて眠ることになった。
川島は下腹部の熱を持てあましながら、今夜のお嬢様の声をやはり録音しておくべきだったと後悔した。