第2章 2
川島の脳内は、モルヒネを打ち込んだような陶酔感に支配された。
どうしようもなくなり、痕をつけるだけにとどまらず吸っては舐め、何度もキスしたり頬をこすりつけたりした。
「ん……、んっお嬢様…痛かったでしょう。申し訳…ございません」
言いながら肌に散らせたばかりの真紅の花びらを何度もやさしく舐めた。
「は、あぁ……っ」
お嬢様の内ももは、どこまでも柔らかくすべすべだった。汗で少ししっとりしていた。
この肌にいつまでもこうしていたい、と唇で愛撫しつづけた。
髪が肌の表面をさらい、それすらも感じてしまうのかお嬢様の切なげな吐息が忙(せわ)しなくなる。
かすかに蜂蜜のような香りがする。
川島は唇を離し唾を飲み込むと、お嬢様の両脚を丁寧にベッドのへりに持ち上げて、体育座りのようにさせた。
膝立ちのままの川島にお嬢様が言った。
「ねえ……もういいよ。川島がずっと下にいるの淋しい。こっちきて一緒に寝よ?」
ここまで来てやめるはずもない。
「オレも淋しいです。ご奉仕のあとで、ゆっくり隣で横にならせていただきますから」
それに、とショーツに指をそっと這わせる。
「今やめてしまったら、お辛いのではないですか。だって…もう透けるほど──」
「やっ……、川島が勝手に始めたんでしょ」
布越しに触れても湿り気を感じる指を嬉しく思いながら、川島は答えた。
「そうですね。オレが勝手に、お嬢様の可愛いところにご奉仕して愛したいだけです。お許しくださったのはお嬢様ですよ。観念して身を委ねてください」
納得いかないというような可愛らしい唸り声を聞きながら、また閉じてしまった膝に手をかける。
少しずつ膝を開かせて、脚の付け根に舌を這わせた。
甘く刺激のある匂いに頭がクラクラした。
お嬢様の手が反射的に伸びてきて隠そうとする。
その手をやさしく握ってどかした。
「隠さないで。どうなってるか確かめさせてください」
「やだ……、恥ずかしいよぉ」
川島は、そのか細い一声だけで意識が飛びそうになった。
オレのお嬢様はどこまで愛らしいんだ。
可愛すぎて頭がおかしくなりそうだった。
このままでは脳内麻薬が過剰に過ぎてショック死してしまう。
冷静さを装いながら言った。