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アクロ★バティック!【黒子のバスケ】

第2章 放課後、小さな公園で



「君!名前は?」

「…火神、大我」

「大我くんね!!ここは特別に譲ってあげるよ」

ボールを俺に手渡しながら、これもあげると微笑んだ。

「……お前、何者?」

「私は通りすがりのお嬢様ですっ!」


………………ふざけんなよ?
こっちは真面目にきいてんのに。




「大我くんは、さ……」

少し目を泳がしながら、女は気まずそうに

「キセキの世代って…知ってる?」

聞いた。




キセキの世代



その単語が女子からでてくるとは思わなかった。







知ってるもなにも、その幻の六人目と今一緒にバスケしてる。他の奴らとも幾度となく戦ってきた。



黙った俺を見て、知らないと勘違いしたのか

「あ、何でもないの!……気にしないで!」

と、慌てて無かったことにしようとしてる。





独特のプレースタイルに、キセキを知ってるこいつ。



「お前の名前は?」

少し興味が湧いた。



「………ひなこ」


すっかり暗くなった公園に、ぽつぽつと言葉が零れる。


「…白波、ひなこ」



“白波ひなこ”

その名を、しっかりと胸に刻み付ける。



「大我くん、また会えるといいね?」

「あぁ……」

その言葉に、心の底から共感した。



俺に背を向けて公園を出ようとする姿を目で追う。

何者なんだ本当に。

黒子に聞いたらわかるか?



「大我くん!」

公園の入り口付近で白波が笑顔で振り返る。




「今日はありがとう!大我くんって、弱くないけど強くもないよね!!」



そう言い残して帰って行った。




…………………………

…………………

…………




あの女、次会った時こそ泣かせてやる。
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