第8章 いつだって真剣勝負でしょ!
「ちょっとー、火神くん遅いっ!探しに行った黒子くんも帰ってこないし…」
突然そんな声が聞こえて、校舎の中から女の子が出てきた。
「あ、カントク」
「あ、カントク……じゃないわよ!もう15分遅刻だからね」
「…………カントク?」
火神くんと女の子のやり取りに首をひねる。
「えぇ、正真正銘ぼくらのカントクですよ」
そんな私に気付いてか、黒子くんが応えた。
「ほぇ~…」
私と年もそう変わらなさそうなのに、監督って……凄っ。
無意識のうちにまじまじと見つめてしまっていたらしい。
振り返った女の子とバチっと目が合った。
ビックリして目をそらす。
ヤバイ……変なコだって思われたかな。
恐る恐る視線を戻すと、
今度は女の子のほうが私を凝視していた。
「………ァリー」
「え?」
「も、もしかして…フフフフ、フェアリー!?」
彼女の叫び声が辺りに響いた。
「あ…確かに昔はそう言われて…」
「なんで!?なんでフェアリーがここに!!?」
「えと、黄瀬くんに誘われて…」
「うわぁ~本物!あ、私ファンです!!」
「あ、ありがとうございます」
最終的には何故か二人でお辞儀していた。
な、なんだコレ?