第8章 いつだって真剣勝負でしょ!
「アインちゃん?」
『ひなこ?どうかしたの』
その日の夜、アインちゃんに電話をかけた。
「私ね、土曜日にテツヤくんと涼太くんの練習試合見に行くんだ」
『っ!?……じゃあ』
「……うん。逃げないで、向き合うことにした」
その決意を伝えたかったから。
『……そう。ひなこがそう決めたのね』
「うん!!」
力強く頷けば、受話器ごしにクスッという笑い声が聞こえた。
『いいんじゃない?私はいつだって、ひなこの考えが一番正しいと思ってるし、どんなことがあってもひなこの味方だから』
うわ
不意打ちでそんなこと言われたら惚れちゃうじゃんか。
……恋愛的な意味では無くてね。
「アインちゃんが男だったら、惚れちゃうなぁ~」
なんて、冗談半分に言ってみたら
『気持ち悪いこと言わないで。電話切るわよ』
っていう、鋭い言葉が返ってきた。
「ねぇ、アインちゃん」
『あ、私のことはスルーなのね。いいわよ、あんたがそういう人だっていうことは知ってるもの』
「私さ………土曜日、楽しみだなぁ」
思わず頬を緩めて言えば、
『楽しんでくるのよ』
優しい声が聞こえてきた。
離れている間に
みんなは
どのくらい強くなったのかな?
どんな技を身に付けたのかな?
「あのさ!まだ私、みんな通用すると思う?」
『さぁ?私にはわからないわよ』
うぅ……ごもっともです。
相変わらずサバサバしてるな~
「そっか~じゃあ、おやすみ」
『…でもね』
電話を切る間際、聞こえた親友の声。