第7章 強くなんか、ないよ。
そして私の人生は、
180度変わることになった。
感動したんだ。
自分を信じ、仲間を信じ、
ひたすらにみんなで一つのボールを追う姿に。
「………アインちゃん」
「ん?」
「私も……、私もやりたい。
バスケがしたい!!」
その日の夜
私は初めてわがままを言った。
「お願いしますお父様!バスケがしたいんです」
「ダメだ。白波家の者にバスケなんて必要ない」
最初は反対していたお父様だけど、私の熱意に押されてか、最終的には許してくれた。
――その時にあの約束を交わした。
約束は嫌だったけど、
自分の未来を売り渡してでも
どうしても
バスケがやりたかった。
それほどまでに私はバスケに魅了されていた。
ルールも知らなかったから、必死に勉強して
昔習ってた体操の技術を生かした独自の
アクロバティックスタイルも完成させた。
お父様に内緒でバスケするための体育館を作らせたこともあった。
ただがむしゃらにバスケをやる日々はとても充実してたように思えた。