第6章 責任取って欲しいっス!
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「~~♪~♪」
モデルの仕事も終わり、イヤホンで音楽を聴きながら家に向かって歩く。
今聴いているのは最近流行りの恋愛ソング。
片想いの甘酸っぱい気持ちをリアルに綴った歌詞が評判の曲だ。
そんなお気に入りの曲を口ずさみながら、今日のことを振り返る。
「で?ひなちゃんてどんな子?」
撮影が終わってもメイクさんは諦めずにひなっちのことを探ろうとしてきた。
なんとか誤魔化したけど、あのしつこさには本当感心するっス。
…………………
ひなっちのことは、大切。
中学時代のバスケ仲間で、一年たった今でもそれは変わらない。
とっても、とっても!好き。
でも一年たった今、それが恋愛感情なのかは、微妙なところ。
人間、誰しも変わらないなんてことは出来ない。
あの頃みんなで同じ目標に向かって頑張っていたキセキたちも、今は敵同士だ。
ひなっちも変わってないなんて言い切れない。
でも、もしひなっちが
あの時のまま
俺が一目惚れしたあのひなっちのままだったら
俺は………