第4章 噂の女の子
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「黒子っ!!」
練習終わりに黒子を呼んだ。
「降旗くん、どうかしましたか?」
目的はもちろん、気になっている例のことの真相を探るため。
「あのさ、単刀直入に聞くぞ?」
「…はい」
黒子の目をまっすぐに見つめる。
少しの表情の変化も見逃さないように。
「お前、好きな子とか居んの?」
その子だけ名前呼びなのは特別ということ。
特別=好き!
俺の頭のなかではそんな方程式が成り立っていた。
こんな質問されて、図星なら動揺せずには居られないだろ!!
そう思っていたのに、
「………好きな人、ですか……」
黒子は無表情のまま。
やっぱり、俺の勘違いか……
「好きな人ならいますよ」
「そうか、いないのか…………」
ん?
「いや、ボクはいるって言っ…」
「ええええぇぇぇぇええええ!?」
黒子の言葉を遮って驚きの声を上げる。
「耳元で叫ばないでくださ…」
「何!?お前好きな子居んの!!?」
「だから叫ば…」
「やっぱりあのひなこって子?」
黒子が迷惑そうだけど、そんなことかまっていられない。
「……ひなこさんのことは好きですよ」
その言葉を聞いて確信した。
俺の方程式は正しかった!
「降旗くん、何を考えているのか知りませんけど、みんな好きですよ?」
その言葉を聞いてテンションがガタ落ちした。
好きって………
そういうことかよ………
あれですか、みんな友達みたいな?
みんな友達として好きみたいな?
「つまんねー!!」
「何を期待してたんですか……」
だって、誰が見てもそう思うだろーが。
あーあ。せっかく黒子の好きな子見てやろうと思ってたのに~……