第4章 噂の女の子
「そうですね………まず、可愛いらしいですよ」
「確かに小せぇな」
「次に、明るいです」
「生意気なだけだろ」
「真っ直ぐで」
「上から目線で」
「笑顔がとても素敵で」
「あぁ…それはわかる」
「とにかくバスケが大好きな方です」
「黒子並みのバスケ馬鹿かもな」
………………うん、
とりあえず俺のなかのムキムキ像は消えた。
そんで、ところどころ食い違ったけど笑顔とバスケ好きが特徴の子ということはわかった。
ひなこちゃんについて話してる時の
嬉しそうに少し頬を染めながら語る黒子と、照れてるのを隠すようにぶっきらぼうに言った火神の様子が多少きになったけど。
まぁ気のせいかな?
「こうしていられません!!」
黒子はゴソゴソとバッグをあさりだした。
「なにしてんの?」
「ボク、ちょっと電話してきます。青峰くんも黄瀬くんも緑間くんも、紫原くんも赤司くんも桃井さんも。みんなひなこさんの帰りを待ってたんですから」
そう言うと黒子は部室を出ていった。
急に静かになった部室の中で、俺は考えていた。
……気づいちゃったな。
あのとき感じた、違和感の正体。
黒子、みんな名字呼びなのにその子だけ名前で呼んでた。
無意識……か?
「おいフリ!」
呼ばれて、現実世界に引き戻される。
「早く準備しろよ。練習始まるぞ」
「おお……」
急いで準備しながら、
後で聞いてみるか
そんなことを思ってた。