• テキストサイズ

山鳥と雛鳥

第9章 大きく羽ばたくまで


五虎退と愛染に案内してもらい急いで向かうと3分程でそれは見えてきた。
大きな木に影が見える。私は雛鳥だとすぐに分かった。

「急ごう。」

私は走るスピードを上げ、雛鳥の所へと走る。

「「あ!」」

っと2人の声が聞こえた時には雛鳥の体は木から離れ、重力に逆らう術が失われた。

落下する雛鳥の体を両腕に収める。



間に合った。

「雛鳥よ。巣から飛び立つ練習は、まだ早いのではないかね?」

目を瞑っていたが不思議そうに雛鳥は片目を開けた。

「……あれ?山鳥毛?え、あれ?」

自分の状況が分かってないのか、地面と私を交互に見回しているのがなんともおかしかった。

「雛鳥…あんまり、無茶は良くないな。
……怪我しているじゃないか。」

雛鳥の片腕の服に血が滲んでいるのが見えた。
雛鳥の胸元から小さな子猫がぴょんと飛び下り、五虎退の所へ行く。

「にゃう…。」

子猫は私を五虎退越しにチラチラと見ていた。

「子猫を怒るわけにはいかないな…。」

私の口からやれやれと思ったため息が出た。
/ 188ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp