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山鳥と雛鳥

第9章 大きく羽ばたくまで


子猫も状況が分かったのか大人しくなってくれた。

「大丈夫か!?」

愛染が大声を上げる。

「う、うぅ…。ちょっと…わかんない。」

五虎退はキョロキョロして誰かいないか見たが、誰もいないと分かると焦る。

「ちょっと、人を呼んでくるから頑張ってください!」

2人は急いで本丸に戻って行った。

少女は何とか体勢を立て直したいが、下の枝に足が届かない。しばらく堪えているが腕がズリっと皮膚を掻きずり落ちる。

「いた…!」

腕にもじんわりと痺れがやってくる。

(早く誰か来て…!)

痺れと傷が少女の腕から力を奪う。
体勢が悪いのかとうとう、少女と猫の体は木から離れた。

「あ…!?」

落ちるのが分かった。
いつもみたいにジャングルジムから飛び下りて遊ぶ高さじゃない。
飛び降りたことのない大人よりも遥かに高い場所。

少女は咄嗟に目を閉じた。

地面が近づく数秒。
少女は猫と共に落ちた。
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