第9章 大きく羽ばたくまで
いつの間にか眠っていたのか、愛染と五虎退が慌てている声で目が覚めた。
「山鳥毛さん!山鳥毛さん!」
「ん……?なんだ?どうかしたのか?」
2人は困った顔をして焦っているように見えた。
「娘さんがね、おおきな木から降りられなくなっちゃったんです…!」
「なに?雛鳥が?
他の鳥たちは?」
「今さっき、任務に行ったのと内番に行ってしまって、近くにいないんです。」
五虎退が不安そうに私を見つめ、愛染国俊が私の服の裾を引っ張る。
本丸から少し距離のある丘の木の上に雛鳥はいるとのこと。
私は2人に案内してもらい、急いで向かった。