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山鳥と雛鳥

第9章 大きく羽ばたくまで


雛鳥は私をじっと見ていた。

「あぁ、よく出来てて美味しいよ。」

雛鳥は嬉しそうに笑った。

「良かった〜!学校のね、お友達のママから教えて貰ったんだ。」

雛鳥は安心したのか、自分の分に手を伸ばし頬張った。
私は先にいただいてたので、食後に珈琲を飲む。
ミルクひとつ、砂糖ふたつ。

今日は少々甘めの気分だ。

雛鳥が食べ終わる頃に五虎退と最近やってきた愛染国俊がやってくる。

「娘ちゃん、遊ぼ?」

「おーい、外に出て遊ぼうぜ!」

「うん、今行く〜!何して遊ぶ?」

麦茶を一気に飲み干し、2人の所へ向かう。
3人が揃うと、仲良さげに庭へと出ていく。

「山鳥毛、ちょっと行ってくるね!」

「あぁ。私は少し体を休ませてもらう。」

「うん、お疲れ様。」

優しく微笑む雛鳥に、何故か切なさを感じた。
そうか、労る心も出来てきているのか。
私はそんな背中を見送ったあと、本をまた開いた。
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