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山鳥と雛鳥

第9章 大きく羽ばたくまで


内番用の緩い服に着替えてくつろぐ。
春の陽気と遠征の疲労によりついうとうとしてしまう。

「山鳥毛?疲れてる?」

「ん?あぁ…少しだけな。」

雛鳥は私を労わるのかはしゃがず、本を読む私の隣に座り一緒に本を読んでいた。
しばらくすると燭台切光忠がやって来て、雛鳥を呼び出した。

「山鳥毛、お疲れだな。」

「燭台切か、久しいな。息災か?」

「あぁ、おかげさまでね。娘ちゃんに用があるんだがいいかな?」

雛鳥はパッと自分の持ってきた時計を見るともうそれやる時間になったの?と慌てた。

「山鳥毛、ごめんね。ちょっとみつくんと行ってくるね。」

どこへ行くのか聞いたが秘密にされ、雛鳥はそのまま燭台切光忠とどこかへ行ってしまった。

しばらくして、雛鳥は戻ってきた。

「サンドイッチ、みつと作ったの。」

盆の上にあるサンドイッチと珈琲を私に渡してきた。
朝食と昼食の間の食事と言ったところか。
ちょうど私もお腹が空いた頃だった。

「ありがとう、いただくとしよう。」

私は雛鳥からひとつ受け取り、口に運ぶ。

「どう?」

ゆで卵を潰し、調味料で味を整えた物と魚の油浸けをマヨネーズと混ぜたもの。
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