第9章 大きく羽ばたくまで
小学校とやらに上がり、学業や武業などに雛鳥は励んでいた。入学式とやらの記録を小鳥に見せてもらい、私たちはその成長を喜んだ。
「娘さん、緊張しちゃってまぁ〜顔が硬いねぇ〜」
加州がふはっと声を立てて笑っていた。
「きっと、あっという間に僕たちの背を越すんだろうなぁ。」
乱もしみじみと、うすら涙を浮かべる。
雛鳥が生まれ7つ年が過ぎていた。
本当にあっという間だ。
私たちはより一層、任務や遠征に励む。
そんな日々が続いてひと月。
数日の遠征、新しい資材を手に入れ本丸へ帰城する。
「山鳥毛~!お帰りなさい!」
こいつはおどろいた。
しばらく会えなかった、雛鳥に私は目を丸くした。
「雛鳥、来ていたのか。」
頭を撫でると雛鳥は少し顔を赤らめる。
「うん、パパに内緒にしてもらってたんだよね。
今日からゴールデンウィークで学校休みだからその間、ここに泊まりたいってお願いしたんだ。」
「そうなのか。それは嬉しい知らせだ。」
私たちは荷物などを置き、身を休めるための準備をする。
その時も雛鳥は私たちの身支度を整える手伝いをしてくれた。
「着替えた?」
「あぁ。」
スーッと障子戸が開き雛鳥が顔をのぞかせる。