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山鳥と雛鳥

第8章 それが初恋というのか


その後、私は子猫と稽古をして刀を交える。

「そぉら。」

「にゃ!?」

私が大きく振りかぶると子猫の持つ木刀が弾かれる。

「おかしらぁ〜強すぎるっす…
もう少し手加減を…にゃ」

「ハハハ、子猫よ。手加減していたら鍛錬の意味が無いぞ。」

子猫は、はぁっとため息をついた。

稽古を終わらせ子猫と本丸の母屋に戻ると、何やら鳥たちがザワザワしていたので様子を見に行く。
そこへ母屋の方から加州と安定が並んで歩いてくるのが見えた。

「鳥たちが騒がしいが、どうかしたのかい?」

「あぁ、山鳥毛。ちょうどいいとこに来たな。
娘ちゃんがランドセルを見せに来てくれたんだ。」

「ほう?雛鳥は何色のらんどせるにしたのかね?」

加州は、はぁとため息をついた。

「それは自分の目で確かめた方がいいと思うぜ。」

加州の言葉に子猫がムッとした。

「お前、お頭に向かって…!」

「子猫、いいんだ。それじゃあ、私たちも見に行こう。」

「お頭…?」

呆気に取られる子猫を連れて、小鳥と雛鳥のいる部屋へと向かった。


「小鳥よ、いるかい?」

「山鳥毛、それに南泉。お前たちも見に来たのか?」

「あぁ、加州清光たちから聞いてな。
雛鳥のらんどせるを決めたんだって?」

子猫は私を立てるように一歩後ろに下がった。

「おうよ。赤いランドセルがいいって直ぐに決めやがった。」

私たちが話していると隣の部屋から雛鳥の声がした。

「パパ〜?さんちょうもう来たの?」

「雛鳥か、あぁ。私はここにいるぞ。」

私がそう言うとたったと音がしてらんどせるを背負った雛鳥が現れた。

「どう?似合う?お姉さんみたい?」

小さめの体に不釣り合いなほど大きならんどせる。
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