第7章 動物園に行こう
それを店の人に渡すと景品と交換してもらう。
「これは4等ですね。
小さいぬいぐるみのペアストラップです。」
雛鳥はそれを受け取ると、嬉しそうな顔をした。
「大きいぬいぐるみじゃなかったけど、それでいいのです?」
一期が心配そうな顔をしたが雛鳥はこれが欲しかったと続けた。
貰ったぬいぐるみの袋を明けて、赤いリボンを巻いたシマエナガを私に渡してきた。
「はい!」
「これは…?」
「さんちょうもうのおめめと一緒だからお揃い!」
私はジーンと胸が熱くなるのを感じた。
もうひとつのシマエナガは黒いリボンをつけている。
「黒いのはパパにあげるの。
パパ困らせちゃったから…ごめんねって。
そしたらパパとさんちょうもう、おそろいだね。」
雛鳥は無邪気に笑っていた。
私は、小さなその体を抱きしめたくなったのを堪える。
嬉しかった。恥ずかしくて、はしゃげないがとても嬉しかった。