第7章 動物園に行こう
帰る前に、何か鳥たちにお土産でもと言い出したのは雛鳥だった。
「みんなお留守番だったから。」
雛鳥は何がいいか店にある品物をじっと見る。
「お酒飲める人たちはこの、顎鍛えるジャーキーなんでどうかな?」
乱に一期が苦笑いした。
「なんか、癖が強いね…。」
私も子猫や我が翼にと吟味していた。
彼らが気に入るもの…。
と見ていると、雛鳥が何かを見ていることに気づいた。
雛鳥の視線の先にはシマエナガという鳥をかたどったぬいぐるみがある。
「雛鳥、あれが気になるのか?」
「あの鳥さん、見られなかった鳥さん…」
シマエナガは野鳥展示はされてなく、写真が飾られていただけだった。
理由は孵化の関係と書いてあった。
「あぁ、そうだな。冬になったら見られると書いてあったよ。
ちょっと来る時期が早かったんだな。」
「さんちょうもう…あれ欲しい。あのぬいぐるみ! 」
「お姉ちゃん、このぬいぐるみ欲しいの?
そしたら、500円でここからくじ引いて欲しいな。」
店の人が説明すると雛鳥は不安そうに私を見た。
「いいが、他に欲しいものは買えなくなるがいいのか?」
雛鳥はうんと頷く。
「我慢する…。」
「欲しいものが当たらないかもしれないが。」
「いい!」
雛鳥の圧に負けてしまい、私は店の人にお金を渡した。
「1回で。」
雛鳥は風で回るその機械に手を入れ、その1枚を掴んだ。