第7章 動物園に行こう
ジャイアントパンダが見られる場所に来るとあまり見かけないのか、人が沢山いる。
「ジャイアントパンダはこちら通路に沿ってください。」
案内の者が大きく声を上げる。
「ねぇパンダどこ?
見えない…!」
雛鳥はその小さなからだでぴょんぴょんと跳ねていた。
「どれ…雛鳥よ。いくぞ…!」
雛鳥を持ち上げた。
「わ…!?」
視界が急に高くなったのか、雛鳥は驚き私にしがみついた。
「どうだ?見えたか?」
雛鳥はじっとガラス越しのそれを探す。
「あ!いた!いたよ!さんちょうもう!
歩いてる!」
雛鳥の表情が輝く。
「そうか、それは良かった。」
雛鳥が満足したくらいに私は雛鳥を下ろした。
「パンダってあんなに大きいんだね!
知らなかった。」
生き生きしてる雛鳥の話を私は聞いているだけだった。
「次はどこに行こうか?」
「ホワイトタイガーの餌やりが・・・なんて書いてあるの?」
雛鳥が指差す場所を覗き込む。
ホワイトタイガーの餌やりが見られるのがもうすぐだと書いてある。
「ふむ、もうすぐ餌やりが見られるらしい。」
地図には写真が載り、そこには大きく飛ぶ白い虎の姿があった。
「見に行くかい?」
「いく!」
「では、行こうか。」
雛鳥とはぐれぬようにしっかりその手を握る。
キュッと小さな手が私の手をしっかり握り返してきた。