第7章 動物園に行こう
雛鳥はあまり出かけないからか不思議そうに周りを見て歩いている。
あぁ、小鳥よ。
今はこの雛鳥を愛しいと思うことを許してほしい。
何かに気づいたのか、雛鳥は私を見る。
「どうかしたの?さんちょうもう?」
「いや、ちょっと考え事していただけだ。」
雛鳥はそっかと言いにこっと笑った。
少し歩き、虎のいる地域にやってきた。
そこにはライオンや他のネコ科の動物もいるとの事だ。
「まだ、餌やりまでは時間があるからこの辺を見て回るかい?」
「見る!ライオンさんみたい!!」
ということで、ライオンがいる所に並ぶ。
ライオンは少し遠いとこにいるのか雛鳥から見えないらしくガッカリした。
「……見えない。いないのかな?」
少しガッカリして窓ガラスの前の段差に腰を下ろした。
「また、後で来よう。一期たちもきっと見たいだろう……。」
と話していると奥からライオンがこちらにやってくるのが見えた。
「うん。そうだね!ごこたもみだれも見たがるからね!
仕方ないなぁあとで一緒に見てあげよう!」
と立ち上がった瞬間、ガラス越しのライオンが嘶く。
「ん…?」
雛鳥が振り向きそれを認識した時、雛鳥からとても高い声が出た。