第7章 動物園に行こう
粟田口の部屋で真ん中にある布団に雛鳥は眠っていた。
「雛鳥、雛鳥…。」
「んぅ…。」
雛鳥はもぞもぞと動き寝ながらもしかめっ面を作って布団にもぐる。
「雛鳥、動物園に行きたいんだって?」
「さん…ちょう…?」
布団から目元だけだし眩しそうに片目を開けた。
「あぁ、ただいま。雛鳥よ、小鳥でなくて申し訳ないんだが良かったら私と動物園に行くかい?」
寝ぼけ眼がぱっと開いて、朝日の眩しさに目を細めた。
「さんちょうもう!?なんで!!パパがさんちょうもうは明日まで遠足だって」
「ハハハ、早めに帰ることができたんだ。
本当は小鳥と行きたかったんだるけど…どうだ、私に付き合ってくれるかい?」
「さんちょうもう、動物園に行きたいの?」
「あぁ、現世はあまり行ったことがないから案内してくれないか?」
雛鳥はパッと起き上がり仕方ないなぁという顔をした。
「でも今日はお昼からならって言っていちごとごこたと行くって…。」
うーんと考えているところに一期がやってきた。
「それじゃあ、先に山鳥毛さんと行くのはどうでしょう?
朝からじゃなきゃ見られない動物もいると思いますし。」
「え、でもいちごはいいの?」
「はい、私たちも後から合流いたしますし。
せっかくなので早めに行って楽しんでみては?」
雛鳥は私をちらっと見た。
悩んでいるみたいだ。
「どうするかは雛鳥に任せよう。」
「…じゃあ山鳥毛と先に行ってもいい?」
一期はにっこり笑った。
「はい、楽しんでください。」
そうと決まると雛鳥の行動は早かった。