第7章 動物園に行こう
日が昇り始めたころ、体が疲れているはずなのに目が覚めた。
起きている鳥たちは朝食の準備をしていたり稽古をしていたり、朝の畑仕事をしていた。
「あれ?山鳥毛さん、早いですね?お体は大丈夫なのですか?」
「君は…?前田藤四郎?」
「はい、ちょっと遠征が多くてあんまり会えてなかったのでこうしてお話しするのは初めてですね。」
薄い茶色のおかっぱ頭の鳥が洗濯物を持っていたので私も半分持つことにした。
「山鳥毛さん、ありがとうございます。」
「いや、いいんだ。そういえばほかの鳥たちは寝ているのかな?」
「いえ、みんな起きてきてます。
ただ…娘さんは昨夜寝れなかったみたいでまだ起きてないかと。」
「雛鳥が?」
私たちは歩きながら話していると衣類を干す中庭の端にやってきた。
「はい、夜中まで動物の図鑑を見ていたのでそれで。
よっぽど行きたかったんですね。
あ、洗濯物を運ぶの手伝ってくれてありがとうございます。」
前田に洗濯物を返してから粟田口の部屋を見に行った。