第7章 動物園に行こう
部屋では、一期が机の上のろうそくの明かりで本を読みながら見守っていた。
雛鳥は小さな若鳥たちと雑魚寝している。
一期が開いた扉に気付きこちらを見た。
「あぁ、おかえりなさい。
娘さんのことが気になって?」
「…あぁ。雛鳥の様子はどうだった。」
「相当悲しかったみたいで塞ぎ込んでましたよ。」
確かに少し涙の跡が頬に残っている。
「今帰られたってことは、明日のためですか?」
「まぁ…。本当は小鳥と行きたかっただろうけど…。」
「そんなことないと思いますよ?」
「ハハ、だといいな。じゃあ明日は早いだろうから、私は休むよ。」
私は引き戸を閉めて体を休めに戻った。