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山鳥と雛鳥

第7章 動物園に行こう


三日間を予定していた遠征は2日と半日で終わらせ、私たちは夜更けに帰還する。
私のわがままに付き合わせてしまって申し訳ないというと二人はどうってことないと言ってくれた。

「ただ、ちょっとばかり疲れてしまったな。
汚れを落として休ませてもらいたい。」

小豆は苦笑いをした。

本丸に戻ると待機用の部屋以外は暗くなっていた。

「遠征から戻りました…。」

太郎が声を上げると待機室にて待っていた若鳥が出てきた。

「本当に帰ってきたよ…。」

加州が驚きを隠せないといった表情をしていた。

「成果はどうだった?」

加州の後ろからひょっこりと顔を出したのは堀川だった。

「まぁ少し少ないが・・・」

と言い、遠征先で手に入れた物を彼に預ける。

「さて、加州。湯を沸かしてくれないか?泥や血を洗い流したくてな。」

「あーいいよ。ちょっと待って、すぐにでも沸かしてくる。」

加州はそういうと風呂場へと向かった。

「あぁ、そういえば娘さんが来てますよ?」

私と小豆はえ?という顔をしただろう。

「なぜに?」

「んー娘さん、主さんと仲直りできなくてふて腐れてこっちに来ちゃったみたい。」

小豆は呆れた顔をする。

「主はなんて言ってるんだい?」

「冷却期間も大事だろうってさ。あまりにも泣くからしびれきらせて怒鳴っちゃって、さらに泣き叫んで落ち着かなくなっちゃったって。
今は粟田口の部屋でみんなと並んで寝ているよ。」

「………様子を見てもいいか?」

「いいけど、寝てますよ?」

私は上着や防具を預けて粟田口の部屋に向かった。
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