• テキストサイズ

山鳥と雛鳥

第5章 新しい翼


姫鶴一文字と審神者の娘は縁側に座っていた。

「ひめつる?」

「ん〜。」

「さんちょうもうと何かあったの?」

「いやぁ?ないよ?」

「さんちょうもう、きらい?」

「どっちでもないかなぁ?」

「すき?」

「まぁ、それはないかな。
きらい…うーん、ちょっと苦手な人。」

「にがて?」

足をブラブラとして娘は姫鶴の話を聞いていた。

「うん。ちょっと好きじゃない。けど
すごく嫌いってわけじゃない。」

「あたし、分かんない。なんでその…にがてなの?」

「偉い人みたいに堂々としててなんかそういうところが好きじゃないんだ。」

娘は首を傾げた。

「ここで偉い人はパパでしょ?
さんちょうもうはパパに頼まれてこのおうちのみんなを見てくれてるんだよ?」

「うん。知ってるよ。すごい人だよ。
だけどね、そこが苦手なんだ。
完璧すぎて隙がない。だから好きじゃない。」

「すきがないから好きじゃない?
好きがあれば好きになる?」

娘の分かっていない言葉にたまらず、姫鶴は笑いだした。

「ごめんねぇ、まだ言葉が難しかったね。
きみは、おかしら…山鳥毛のことは好き?」

「うん!さんちょうもうはねママとパパの次に大好きだよ!
いつも、一緒にいてくれるしパパとも仲良くて
さんちょうもうと一緒にいる時はなんか、楽しいの!
だから、ほんとうはえんそく(遠征のことを遠足と伝えている)にいってほしくないんだよね…」

娘は寂しいと思ったのか口を尖らせた。


「ひめつるのことも大好きだよ!
だからひめつるもさんちょうもうもおともだちだったらいいなって
そしたら一緒にあそべるでしょ?」

「………はは、きみには負けるよ。」

姫鶴は優しく笑い、娘の髪の毛を撫でた。
娘はにこにこと姫鶴を見つめていた。
/ 188ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp