第3章 自分の娘のような
私はガタンと立ち上がった。
「山鳥毛…?」
「私も探してくる。」
書きかけの筆を置いて私は小豆長光を置いて部屋を出た。
「どこに行ったんだ。」
本丸の中を探すが気配すら感じない。
と思っていたら今度は洗濯をしていた若鳥達が騒いでいた。
「あ!!山鳥毛…!?」
大和守安定が私と鉢合わせしたのが良くないと言う表情をした。
「どうしたんだ?」
「あ、えっと…その…。ごめんなさい!
山鳥毛さんの上着が風で飛んじゃったかもしれなくて…!」
「なに?」
私はつい、眉を潜めてしまった。
「今、どこかに引っかかってないか探してるんだけど見つからなかったらどうしようと思って…」
「……今は私の上着どころじゃない。
雛鳥が見当たらないらしいんだ。」
「え?娘ちゃん?」
「まず、雛鳥を探してほしい。
上着はその後だ。」
私は返事も待たずに次の部屋へと向かった。