第3章 自分の娘のような
ある晴れた日、洗濯物がよく乾く日だと言われ若鳥たちに私の服を持っていかれた。
仕方なしに内番で使っている服を着る。
その格好で、任務誌を書こうとはな…。
「やぁ山鳥毛…君も服を剥ぎ取られたのか?」
小豆長光が私に気づき、部屋に入ってきた。
彼も同じく服を洗濯に回されたようだった。
「あぁ、全く。ここの鳥たちは少々、元気が良すぎるな。」
小豆長光は私の言葉に笑いを堪えられなかったみたいだ。
「そうだね。一家の長の服を剥ぎ取るくらいには元気だね。」
微笑ましく思っているらしく、小豆長光も表情が柔らかい。
「娘さんー!どこにいるんですか〜?」
「娘様〜!」
本丸中に粟田口の者たちの声が響いた。
「あ、山鳥毛さん!小豆さん!ここに娘さん来なかった?」
乱藤四郎が部屋の中をキョロキョロとする。
「いや、ここには来てないが?」
「うん。僕も見てないなぁ。」
私たちが返事をするとそっかぁと言ってまた雛鳥を探しに走り出した。
「娘さんて…主のだよね?
まさか本丸の外に出てしまったとか?」
私はギョッとした。
本丸の外は時間遡行軍が来れなくとも完全に安全かと言えばそうでも無い。
結界が薄い端まで行かれてしまったら時間遡行軍が隙を狙うことも可能性はある。