第12章 君を想うがため
諦めがつく。
「そうじゃねぇ。人間は1度諦めようとするとその感情が色濃くなっていき、しまいにゃそれが呪縛になる。
俺は何度もそういう拗れたものを見てきた。」
小鳥の言うことは間違ってない。
私も、実際見てきた記憶がある。
私は少し間を置いた。
「だったら、申し訳ないが小鳥よ。
数多の任務に出向かさせて欲しい。
雛鳥を私も忘れるくらいに。」
小鳥は納得いかないと言いつつ巣の長として承諾した。
「あぁ、あとアイツに最後、会ってやって欲しい。
こんなこと頼むのも申し訳ないが…。」
小鳥は申し訳なさそうに俯いた。
「………あぁ。分かった。」
私は立ち上がり部屋に向かった。
「あ、お頭…。」
「頭…」
部屋に戻ると子猫と姫鶴が心配そうにしていた。
「加州から聞いた…にゃ。
お頭はいいんすか?」
私は俯き2人から視線を逸らす。
「あぁ…すまないが2人とも、今は少し1人にしてほしい。」
「………うす。」
2人には部屋から出てもらった。