• テキストサイズ

山鳥と雛鳥

第12章 君を想うがため


高校生になる前の3月下旬。
お父さんは私に親戚の所へ行きなさいと言い出した。

「え?でもお父さんそれって…」

「本丸にも、もう来てはいけない。」

「え…なんで?」

「………なんでもだ。お前にはもう自分の人生を歩んで欲しいんだ。
本丸ではなく、現世で。」

私はその後、お父さんとなにを話したか分からない。
ただ、自分の人生もちゃんと決められるし親戚の家に行きたくない。とも言ってた気がする。

でもお父さんの表情を見て分かった。

変わるしかないんだと。

「本丸の仕事も今後激務になるし、こっちでの仕事も知っているだろ?」

「警察…」

「端くれの窓際族とは言え、命懸けになるのも事実。
父として、守りたいんだ。」

「でも、みんなは?みんなは……なんて。」

山鳥毛は?とも聞きたかったけど怖くて聞けなかった。
でもお父さんは分かっていたみたい。

「…………。私が決めたことだからそれに従う。
俺の近侍はそう言った。」

「……そっか。分かった。
じゃあせめて、最後に会いに行く機会ほしい。」

「……考えとくよ。」

お父さんはそう言うと寝室へと入っていった。
/ 188ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp