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山鳥と雛鳥

第12章 君を想うがため


初恋は当たり前だけど実らず、冬がやって来た。
高校は推薦入試を終えて秋口には受かり、この冬はのんびりできるはずだった。

お母さんの死がなければ…。

年を越えられるか分からないと言われていたがお母さんは、2月後半まで生きてくれた。

死因は日本人で1番多い癌。

治しては転移が見つかり私が教えられていたのはすくなくとも3回、4回はしているらしい。

「高校生になるまで待てなくてごめんね。
パパをよろしくお願い。」

「お母さん、何言ってるの?
また弱気になっちゃって〜。病は気からとも言うでしょ?」

「………。」

そんな会話をしたのがつい1週間前くらいだ。
お母さんの最期はとても静かだった。
長い闘病生活をお疲れ様とお父さんは涙していたのが印象的で、私は悲しすぎたのか目の前の現実を受け入れたくなかったのか涙も感情もその時は無かった。
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