第11章 私の幼少期と彼ら
それとは対照的に加州はふはっと声を出して笑った。
「なに?やっぱり加州もそう思うんでしょ?」
「いや。思ってないよ、ただ…」
「ただ…?」
「あいつが羨ましいなって思っただけだよ。
主の娘ちゃんの初恋相手なんて光栄なことじゃん?」
「すっっごい迷惑極まりないことだと思う…。
あーあ!早く私も現世の男の人好きになれたらなぁ〜。」
たい焼きを口にくわえグッと伸びをする。
「ハハハ、娘さんよ。そんな焦ることないと思うよ。」
みつ(燭台切光忠)が笑いながらやって来た。
「ねぇ、どこから聞いてたの?」
「男の人を好きになれたらなぁ〜」
「良かった。そこら辺ならまだ何も聞いてないのと同じだね。」
みつは私の隣に座ってきた。
「君はもういくつになったんだっけ?」
「14歳。」
「それならまだまだ早いだろう?」
「そうかもしれないけど。」
私は麦茶の入ったコップを見つめる。
思うことは2つ。