第11章 私の幼少期と彼ら
学校も終わり、家に戻って着替えずに本丸へ向かう。
私のもう1つの家みたいなものだ。
「お?久しぶりだな。」
本丸へやってきて早々に加州に出会う。
「加州?久しぶり〜!
元気だった?」
「あぁ、娘ちゃんも元気そうで良かったよ。
こっちに来たのは何用で?」
「あー、久しぶりにみんなの顔が見たくなったからかな?」
「珍しいね。用もなく来るなんて。あ、ちょうどさぁおやつなんだけど一緒に食べる?」
おやつという響きに懐かしさと嬉しさを感じた。
「え!食べる食べる!きょうのはなに?」
「今日はたい焼きだと。燭台切が、天然モノを見つけて買ってきたらしいから期待できるよ。」
天然モノ!聞いたことある。
たい焼きには量産型の1枚の板に何匹ものたい焼きの型でつくる養殖ものと
一つ一つ作る天然モノがあると。
「じゃあ待ってて、今もらって来るから。」
加州はそう言うと、台所へと向かった。