第2章 はじまり
『ん…寝すぎたかな』
時計を確認すると朝の8時。
まだお昼になっていない事に安心した
起きて顔を洗って今日一日どう過ごそう
なんて事を考えてると、まるで全て見ていたかのようなタイミングで朝食が部屋へ運ばれてきた。
少し豪華な朝食を済ませて、シャワーを浴びた
昨日は混乱だらけだったけど一日経つとこの状況も正直新鮮な気持ちだった
まあ、怪しんでるコナン君達には悪いけども…
現実世界での自分は心が疲れ切っていた。
ただひたすら毎日を何とか生きてきた。
人生を終わらせたいと思う事が度々あったし、終わらせようとした事だってあった。
云わば鬱だった。
だから今いるこの世界は私にとって何かが始まりそうな予感がして
少し胸が躍る。
自分の精神面は自分がよく分かっている。
だからこそ私は…現実世界で死んだのでは無いかと思えてきた。
もしここが来世なのだとしたら
新しい人生を始めたい。
そう思って外に出る準備をして、米花町を探索する事に決めた
何も持ってないからどうしようも無いけれど…
けど私がこのホテルを出た事を知れば誰かしらが動く筈。
私は米花町を探索したいし色々知りたい
コナン君側は動き出した私を逃がさないように何かしら手を打ってきそう
今の私にとってこうして保護?されていなきゃ行く宛が無い。
恐らくこの世界じゃ別次元の私の身元を証明する物なんて存在しない訳だし
何とかホテルを出る事が出来た。
ただ一つ後悔しているのは
もっと名探偵コナンを見ていれば良かったという事
ゼロの執行人は見たけどそれ以外の最近のコナンを全く知らない…
安室透が公安警察なら見つかったら怪しい人間だからって連行される?
でもコナン君と繋がってるから私の事を既に話しているかもしれない
工藤邸に住んでるあの怪しそうな眼鏡の沖矢昴は?
当時私は赤井秀一が好きだったけど、彼が死んでからショックで熱が冷め始めていた。
その後直ぐに出てきた沖矢昴という大学院生も正直好きだった
タイプと言うか…
だけど自然とあまり見なくなっていって、赤井秀一が生きている事だけは分かったけどその後は…。