第2章 はじまり
だけど沖矢昴の出てくるタイミングって結構早かった様な
もしかして沖矢昴って存在しないのでは?
赤井秀一が死を偽造して仮の姿が沖矢昴なんだとしたら…
いや、考えすぎかな
今日は晴れていて散歩(探索)には持ってこいの日。
米花町は事件が多い場所だから巻き込まれない様にしないとね
歩いていると色んな所に米花の文字があって、見れば見るほど本当に来てしまったんだ…って不思議な気持ち
だけど、あの頃好きだった赤井秀一にも…沖矢昴にも
もしかしたら会えるって事だよね?
こんな呑気な事考えてる場合じゃないのに
それが嬉しかった。
私にだって大ファンの時代があったんだから、折角この世界に来れたって言うなら満喫するべきだよね?
だったら…まずは毛利探偵事務所とか見てみたいな
コナン君に遭遇しない時間帯にね
此処から、どっちに行くんだろう?
『まあ、とりあえず歩いてみよう』
目的地までの道のりも新鮮で楽しい
この世界も現実世界も米花町が唯一有るか無いかでそれ以外は現実世界と変わらないんだよね
異世界でも同じく存在する他の地名も不思議に感じた
現実世界と同じような見た目なのかな?
所々立ち寄ったりベンチに座って休憩したりをしながら
やっとそれらしき建物が見えてきた
『!やった』
そこまで進もうとした時にふと、行ってどうするんだ?と脳内に疑問が過った。
確かに見るだけとは思ってたけれど…その後はどうしよう
ホテルに戻ろうかな と言うより…戻れるかな
道があまり思い出せない。まあ、人に聞けばいっか
毛利探偵事務所とポアロを前にするとまた不思議な感覚に陥った。
今まで画面の向こう、漫画やアニメでしか存在しないはずの建物があるのだから。
ましてやその中の登場人物にも既に会った訳だし
『本当に凄いなあ』
こんな事あるんだね。
つい見とれてしまってまた怪しい人になってるかもしれない
そろそろ行かないと
そう思ってたのに
「どうかされましたか?」
もう遅かったみたい