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スモーカー【名探偵コナン】

第24章 その先に待っているもの



「そうか…僕の方でも色々探してみるよ。とりあえずもう安心してくれ」




『はい…あの、あと…』




「なんだい?」




『えっと、何から言ったらいいか…怒ってますよね?』




「怒ってないよ。と言うとそれは少し嘘になってしまうかな」




『はい…』




表情一つも変えず受け答えする安室さんの横顔は少し怖い




けど、安室さんだって何かを隠しているのは間違い無い筈。




あの時の電話の内容もそうだし、安室さん自身についてもだし
そしてさっきの彼とのあの空気感。




二人は初対面には見えない何かを感じた。




聞きたい事は山ほどある。




『あの…どこへ?』




「ん、さっきみなみさんが勝手に抜け出した所だよ」




『すみません』




「ダメだよ」




『えっ』




「僕の気が済むまでみなみさんには質問に答えて貰わないとだからね」




『あの、それなら』




「分かっているよ。みなみさんも僕について聞きたい事があるんだろう?」




『はい』




やっぱり探偵の目は誤魔化せなかったのか、心の内を軽く読まれた気がした。




静かな車内には緊張感が走る。
掌にはさっきとはまた違った汗が滲み出ていた。




「なんで僕の電話を切ったの?」




『あれは、さっきの人とぶつかった時落としてしまって…その衝撃で切れちゃったのかと』




「そうかな。落ちる衝撃音は僕には聞こえなかったかな」




『えっ?なら、もしかして手が動いた時に押しちゃったのかも…』




「…そっか、あれから何度かけ直しても出なかったから本当に心配だったんだ。本当に無事で良かった」





着信が来ていたことに気付かなかった。
通知はオンにしていたはずなのに、なぜかオフになっていた。
それもさっきの誤操作だったのかもしれない。




『それは…全然気付かなかったです…ごめんなさい』





車内にはかなり気まずいというか、重い感じの空気が流れたまま
外の風景はまたさっきも見た閑静な街並みに変わっていた。
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