第6章 貴方って
米花町に来てずっとのんびりできる日は何だか凄く貴重な気がして
この世界でのテレビニュースやバラエティを煙草と共に楽しんでいたらすっかり夜になっていた。
キスのし過ぎなのか唇が少しヒリヒリしていて…
筋肉痛と共にあれが夢では無かったんだとまた実感する。
テレビの中のまた更にテレビの中に居た沖野ヨーコがそのまんまテレビに映っていると不思議に感じながらもどこかそれが可笑しかったりもして。
画面越しでも凄く綺麗で可愛い…
ご飯も食べ終わり、テレビを楽しみながら平和な一日を終えた。
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この世界に来て初めて現実世界での友人が夢に出てきた。
夢の内容はただ普通に他愛も無い話をしているだけだったけど、私は向こうでどうなっているの?
行方不明って状態なの?それとも今のここが夢の中で実際は昏睡状態とか?
けど痛みは凄くリアルだし、初めて来た時のあの感覚だって…
向こうでの最後の記憶が無い事だけが、時々頭を悩ませる。
良くも悪くもそのお陰で今日はまだギリギリ朝に目覚める事ができた
午前10時半。
零からは7時ぐらいにメッセージが届いていて、今日ポアロに来ませんか?と。
零には…一昨日のお礼もあるし行こうかな。
あの時はまさかその後沖矢さんとあんな事になるとは思っていなかったから
今思うと少し複雑な何かが…
零にはどんな顔で会うべきなのかな。
とりあえず行くけど、お昼辺りでいいかな?
そんな事を考えながらシャワーを浴びて朝食を済まして、テレビを見ながらのんびりしてるとあっという間に時間が過ぎて行って準備を進めた。