第5章 交差
そのまま触れるようなキスを交わして
「みなみさん、大丈夫でしょうか?」
『は、はい…大丈夫です…』
沖矢さんの方が何倍も疲れている筈なのに、肩で息をしている私と対照的に全然息切れしてなくて。
普段そんなに筋トレしてるのかな。
それとも…沖矢さん凄く上手だったから… そう考えたら何だか嫌な気持ちになったから筋トレだと思う事にした。
沖矢さんとのセックスは凄く…良かった。
相性が最高で、沖矢さんから溢れ出る色気も凄くて。
沖矢さんともっと話していたいけど、今日だけで三回もシた訳だからどうしても疲労が先に来てしまってそのまま床に滑り落ちていくと
横抱きにされ、ベッドの上へ優しく置かれる。
柔らかいベッドの上に来た瞬間に睡魔も襲ってきて、目の前に居る沖矢さんの顔が徐々にボヤけていき、意識を手放した。
こうなる事は分かっては居たが、まさかこのまま沖矢の状態でやるとはな
このチョーカー型変声期も暗い部屋とはいえ気付いた事だろう。
どうせ降谷君にも話したのなら、もうこいつに正体を隠す意味も無くなった事だが、俺から言うべきかどうかだ
まあそれはみなみが聞いてきた時でも遅くはないだろう
今も呑気に目の前で規則正しい寝息を立てているみなみに布団を掛けてやって、下着は枕元に置いておいてやるか。