第5章 交差
あの時みたいにまた無言で見つめ合えば
「貴女は悪い人だ」
組んでいた腕を解いて、私の右腕を掴みそのままカードキーで部屋に入った瞬間、電気も付けずに
言葉を発する事無くその場で直ぐに唇が重なり合って。
沖矢さんもこの部屋のカードキーを持っていたの?なんてそんな事今はどうだっていい。
ドアの閉まる音が聞こえる頃にはとっくに湿ってるキスに変わっていて、私は勿論沖矢さんもこの間より何倍も激しい
腰と背中に添えられてる手は最早添えるでは無く、何処にも行けないように強く押さえつけられている様で
上にあったファスナーはとっくに降ろされ、部屋中に響き渡る吐息混じりのリップ音と共にワンピースが下へ落ちる音が重なると
篭っていた熱が開放されて心地良いのに、少し厚着をした沖矢さんの首元に腕を回し、腰と背中に触れる手も沖矢さんの体からも熱が伝わってきて。
腰に触れている手が右裏腿まで来て、背中にあった手も左裏腿に添えられると、そのまま軽く飛びついて沖矢さんの腰周りに両足を回せば
両腕でしっかりと腿を下から持ってくれて、両頬と耳に手を添えて沖矢さんにキスの音しか聞こえない様にして。