第5章 交差
FBIの件も早々に終わり、来る筈の無いみなみからの返信を待つスマホを見れば今はホテルだと?
成程。
愈々降谷君も動き出した訳か。少々油断していたか?
降谷君の手に掛かればみなみが向こうに堕ちる可能性は高い。
彼に話したのか?
まあ良い。みなみは米花町へ近付いてきてる事だ
直接問いただしてやろう。
『沖矢…さん…どう、して…?』
俺を見るなり目を大きく見開いて驚くみなみ。
まあ無理も無いだろう。その顔が拝めて何よりだ
俺のやった服で降谷君と会っていたとはな。
「中々返信が来なかったので、心配になり此処まで来たら…みなみさんに…」
『そう…だったんですね…さっき目が覚めて、それで煙草を買いに…』
「そうですか。私がプレゼントした洋服を着て下さっている事は嬉しいのですが…そのヒールで散歩とは、少々大変なのでは?」
俺に嘘をつくとは相変わらず度胸のある女だ。
この後どうなるかが楽しみだな
『えっと…それは…』
部屋の前に寄り掛かり、腕を組みながら私を見る沖矢さんに
尋問紛いな事をされて直ぐにバレる嘘を付いていると言うのに
沖矢さんに会えた事が嬉しくて、嘘だろうがもう何でも良かった
「みなみさん?」
言葉を詰まらせたかと思えば何処か潤んだ瞳をしているみなみ。
言いすぎたか?いや、それは無い筈だ。
どうやらその類の瞳では無いみたいだな
全く。こんな時だと言うのに