第5章 交差
今日はお客さんが少ない日なのか安室さんも手が空いてきた様で
私もハムサンドを完食し、レモンティーも飲み終えた。
『安室さん、凄く美味しかったです!ご馳走です』
「ありがとうございます。みなみさん、この後のご予定は?」
『え?いえ、特に無いです』
「みなみさんが良ければこの後、僕とデートしませんか?僕も今日のシフトはこれで終わりなので」
『は、はい…』
そう来るとは思わなくてうっかり了承しちゃった
探りだとしても安室さんとのデート?なのかは分からないけど、そのお誘いは嬉しかった
沖矢さんの事で頭がいっぱいだったから、他の誰かと交流するのは良い事
沖矢さんはよく思わないだろうけど…まあ内緒にすれば良いし…
て言うか、私がそこまで安室さんから遠ざからなきゃいけない必要って?
沖矢さんと安室さんの事を知らない事だけネックだけど
この世界の事を少しばかりは知っている訳だし、本当の事を話したら潜入してる安室さんも少しは優位になるって事は無いかな?
沖矢さんも、あのコナン君ですら通報をしなかった上に確実ではなくても信用してくれてるし、難しくても安室さんだってもしかしたら分かってくれるかも。
それにこんなに頭が良い人を前にして、私なんかがいつまでも嘘をついていられるとも限らない。
沖矢さんには悪いけど…でも逆に安室さんは沖矢さんについて知ってる訳だよね?
それも知りたい。
この後探られるだろうから、もしも話せれば…
・
僕が今色んな意味で一番気になっていると言っても過言ではない人が、まさかそっちからやって来るとは。
赤井にそう言われて来てるのか?
でも今さら僕に何を?組織についてならFBIはFBIで追ってるだろうし
分からない。
ただみなみさんは相変わらず今日も美しい。
服装的にもデートかと思っていたのに、僕の誘いに応じてくれるとは
どこまでが赤井の差し金かが分からない
それとも赤井はみなみさんについて何か知っていて匿っているのか?
なら一人で出歩かせるか?
あいつならみなみさんに盗聴器かGPSぐらい付けているんだろう
それにみなみさんが気付いてるのかは分からないが