第24章 その先に待っているもの
とは言ったものの…
そんな勇気は無かった。
いつまでもここに居るわけにはいかないし、取り敢えず場所を移動しよう
来た道とは反対の方向に歩き始める
この見慣れない街並みは結構嫌いでは無い
慣れてきたら色んな所見て回りたいな。
ってこんな呑気な事を考えている場合では無い。
このままでは普通に家無しになってしまうどころか生きていけなくなる
頼れるのは安室さんだけど、安室さんには何かが隠されているように感じるし…
かと言って1番上に表示されている沖矢昴という人に電話を折り返す勇気も無い。
結構詰んでいる状態だ。
考え事をしながら通る車をボーッと見ながら信号待ちをしていると
とある外車の運転手がこちらをジッと見つめながら通過した。
自分も見ていた側だけど正直言って不気味だし、その瞬間だけ明らかにスピードが落ちて。
途端に恐怖を感じ、青になった信号を走り抜けた。
走りながら後ろを振り向くと例の車がUターンをしてこちらへ向かってきている。
分からない
自分の考えすぎなのかもしれないけど、今は走った方が良いと本能が言っている気がした。
それにもし自分の知り合いなら連絡が来ている筈だけど来ていないし。
息を切らしながら走っていくと丁度大きなデパートが目に入った。
あそこに入れば大丈夫かもしれない。そう思って歩行者に紛れながらも中へ入った。
少し離れた位置から入口を見ると車は消えていた。
流石にここまで来れば大丈夫かな…