第24章 その先に待っているもの
ってこんな事を思っている場合では無くて
再度看板に手を着いて呼吸を整えていると、金髪の彼がこっちを見ながら
背中に手を回して、もう片方の手で肩を支えてくれた。
「みなみさん、大丈夫か?」
『あ、ありがとうございます...』
何故...どうしてこの人は私の名前を?
それに...
この人、凄くかっこいい。
どう考えたってこんな時に思う事では無いのに、そんな状況でもこの言葉が浮かんでくるぐらいの人だ。
「なんやこのネエちゃんと知り合いやったんか。頼んだで、ポアロの兄ちゃん」
「はい、彼女は僕がしっかり送り届けます。それより...君達、時間は大丈夫なのかい?」
「あー!そうやで平次!急がなアカン!!」
「ああ。ほんじゃあ、ネエちゃんも達者でな」
『はい 二人とも、本当にありがとう』
「ええねんええねん!ほな、気ぃつけてな!」
こうして、二人は米花町という場所に向かって急ぎ足で去っていった。
そして問題は...
この金髪のイケメン。
下から見る彼の顔も、まさに容姿端麗という四文字が似合う程に整っていて
とても綺麗な顔をしている
『...えっ?!ちょっ!...と!』
危機感も無く彼の顔に見蕩れていると、突然体が宙に浮いた
横抱きにされていて、色んな意味で鼓動が早まる。
「それじゃ歩けないだろう?」
『ありがとう、ございます...重くないですか?』
「当たり前だ。それどころか、更に痩せたんじゃないか?」
ダメだ、分からない。
これ程の人なら絶対に忘れない筈なのに、一切思い出す事が出来なかった。
この人は自分とどんな関係だったのかすらも分からない。
ただの友人?だとしたらそれはそれで、どこか違う様にも感じられる