第24章 その先に待っているもの
「ほーん?そうは見えへんけどなあ?」
「ちょ、平次!具合悪いんとちゃうん?」
色黒の子が怪しんだ様子で顔を覗き込もうとした所を
ポニーテールの子が止めてくれた。
『ちょっと、具合悪くて...』
二人は急いでる筈だしこれ以上怪しまれても困る為
何とかこう言って、看板に着いていた手を離して歩き出そうとすれば
視界がグルグルとした所を支えてくれた。
「どないしよう平次...蘭ちゃん達との待ち合わせも飛行機の時間も迫ってきとる...救急車呼んだ方がええんとちゃうん?」
「せやな。悪いなネエちゃん、オレ達も時間が無いんや、せやから」
『駄目っ!』
色黒の子の言葉に被せるように救急車を呼ぶという案に拒否をしてしまった。
何故こんなにも拒否をするのかは分からない。
だけど何か本能的な物が違うと訴えかけてきて。
「駄目ってなあ...ネエちゃん、その状態でどう帰るんや?大人しく運ばれといた方がええっちゅう事や」
「いえ、その必要はありません」
今度は背後から男性の声が聞こえて。
そのまま自分の前に立つ男性は金髪で、また色黒な人だった
「あ!お前、ポアロん所の金髪の兄ちゃんやな」
「安室透です」
ポアロ?この子達と金髪の男性はどうやら面識があるみたい。
安室透... 聞いた事が無かった。
「俺は西の高校生探偵、服部平次や」
「はい、知っていますよ。そちらに居るのは君の恋人かな?」
「なっ!ちゃうちゃう!!何を言うとるんや兄ちゃん!んな事より、そのネエちゃんをはよ何とかせえへんと」
てっきり付き合っているのかとばかり思っていた高校生である二人はそうでは無かったみたい。
だけどお互いに思いあっているというのは直ぐに伝わるぐらいで可愛らしい。