第24章 その先に待っているもの
・
「降谷さん!降谷さん!聞こえていますか!」
「ああ、聞こえている。何があった」
「先日行った米花町の外れの林を通ったのですが、つい先程その林から赤井秀一らしき男とその仲間を見かけました」
「何だって?!何故それを早く連絡しない。分かった、僕はそこへ向かう。風見は本庁へ戻ってくれ」
「分かりました。失礼します」
数日間姿を見せなかった赤井が居ただと?
何故こんな早朝に?
となればみなみさんだって一緒じゃ無ければおかしい。
何故だ、風見の見間違えなのか?
今日のシフトは九時からで今はまだ六時を回ったばかり
時間ならある。少しでも何か手掛かりが見つかれば幸いだ。
たった二時間で得る事の出来た束の間の休息は、風見からの報告によって幕を閉じた。
・
んっ...
首の後ろに走る痛みによって意識が徐々に明確となる。
ん?
薄目を開け、真っ先に目に入ったのは自分の膝。
座ったまま寝てた?
え?
ていうか...
此処って...
トイレ?!
何故、自分はトイレに?
部屋着でも無いし靴だって履いている。
見るからにここは公衆トイレだ。
だけど...何故?
直前の記憶どころか、何も思い出せない。
私は何をしていたの?
何だか凄く長い夢を見ていた気がする。
だけどそれが何なのか、何も分からない。
ここはどこなの?
膝の上に置いてあるバッグから急いでスマホを取り出すも何かがおかしい。
私こんな機種持ってたっけ?
それにどこか違う。
充電も切れてるし使いようが無い。
どうしよう。
何が何だか分からない。