第24章 その先に待っているもの
「結局、コナン君も赤井さんの姿を見ていない様ですね」
「そうね...本当にどうしてしまったのかしら...」
「ジョディさん、こっちの道で合っていますかね?」
「ええ、大丈夫よ。最後にシュウと会ったあの日、こっちに走って行ったのを覚えているわ」
「赤井さんはあの日どこへ向かったのですかね...」
「キャメル、車を停めて」
「え?此処でですか?」
「ええ、私達が通ってきた人通りのある場所に居るとは思えないわ。シュウの通った道で人気の少ない場所を順に当たっていこうと思って」
正直、こんな林に期待はしていない。
だけど...今はもうそれしか無いわ。
「キャメル、行くわよ」
「はい、ジョディさん」
「結構朝日が入りますね」
「そうね、私達が想像する林とは少し違うみたいだわ。このまま進んでいきましょ」
「はい。足元、お気をつけてください」
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「んっ...」
嗅覚に絡みつく特有のこの匂い...
徐々に瞼を開けていくと、やはり。
どうやら戻れたみたいだな。
此処は転落する前に居た二階の様だ。
みなみはどこだ?!
「みなみ!何処だ!」
微かに浮かんでいた嫌な予感を加速させていく瞬間だ。
体を起こそうとすると頭に鈍痛が走る
徹夜をした日とはまた違う頭痛だな
どうやらこいつのせいで思う様に体が動かせない様だ。
みなみの名前を呼んでも返事が無い。
携帯も充電が切れている
みなみも戻る事が出来たのだろうか。
こいつが使えん限り、今のこの状態ではそれを確認する術は無い。
一刻も早く動かなければならないのに、自力で頭を動かそうとすれば
強い目眩に襲われる。
何とか上体だけを起こす事に成功した。
一瞬で出来る動作にこんなに時間を割いてしまうとはな。
困窮した状況に置かれている中、外からは足音が近付いてくる。
みなみか?
いや、この音は...二人だ。
この状況だ。
奴らだとしたら太刀打ちは無理だ。
今はこの足音が去ることを祈るしか出来んな。
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