第23章 追憶の果て
あれ?
自分はどのくらい…眠ってしまったのだろうか
あの後どうなったのだろう
上体を起こして視界に入る世界は一面が真っ暗闇で、痛み等は感じなかった。
自分は死んだのだろうか?
直前の記憶は鮮明に覚えている。直前なのか、あれからどのくらい経ったのかは分からない
此処は三途の川と呼ばれている場所と自分の想像とは全くの無縁とも言える
そもそも三途の川自体が本当にあるのかも分からない。
ただもうちょっと…
明るいのを想像していた。
それか、もう既に渡り切ったとか?
渡るか渡らないかの選択肢も与えられないのか…
まあ、与えられても渡ってただろうけど。
寝起きでこの状況に置かれ、寝惚けていたのか逆に冷静に捉えていたけれど
これは寝惚けなんかでは無く、パニック状態の脳内を必死に鎮めようと
しているだけなのだと気付くのに差程時間はかからなかった
もしもここが俗に言う天国だとしたら?
この暗闇で永遠に過ごさなきゃいけないの?
死んだという事なら、自分がここに居る時間は恐らく無制限。
こんなのは正直言って、普通に生きていた頃より何倍も苦痛かもしれない
それとも地獄だったりするのだろうか
そもそも天国や地獄が本当にあるのかも分からない
だけどこれでは地獄と同じ。